古市久美子建築設計事務所FuruichiKumiko&Associates

横浜の設計事務所です。子どもたちと遊びつつ山に登り海に潜り建築のことを考えてます。

横浜の設計事務所です。子どもたちと遊びつつ山に登り海に潜り建築のことを考えてます。

AtelierOctagon八角形のアトリエ   

 

/八角形の家 設計メモ/

[パオのようなアトリエ]という夢殿的にも思えるプロジェクトが始まったのは、ハガキをいただいたころだったかもしれない。
「昔、旅したモンゴルのパオがとっても居心地よかったの。包み込まれているような安心感があって、あんな雰囲気のアトリエがあったらいいねと、3人でずっと話していたんです」
パオとは、ゲルとも呼ばれる、モンゴルの伝統的な移動式住居のこと。パオへの憧れは共鳴しつつも、どことなく半信半疑を拭いきれないまま、ひとまずパオの形を木軸構造の検討を加味しながら八角形という形に落とし込んだ。実際に設計を進めていくと、八角形が意外にも使い勝手の良い形であることが見出されていった。3人の作家がそれぞれ個別に集中できる制作場所を必要としていて展示などをするときは一つの大きな空間にという条件にぴったりと合っていたのである。大型機械を設置するガラス工房を別棟にし続き間に水回りを配置。それぞれの机および作業場は自然光で十分明るいが、内部は多角形特有の陰影があり居心地の良さを生んでいる。難航が危ぶまれた八角形の軸組、続く仕上工事も腕の良い大工に恵まれ、見事におさまり、むしろ大工の技術の高さと呼応して、奥行きのある空間が生まれた。室内に良質の風を呼び込む窓の設置や、屋根内通気、壁内通気などを配慮している。完成前の状態で家は引き渡され、壁の漆喰塗りから棚の取り付け、タイル貼りなどは施主が手掛けた。竣工後1年のアトリエに訪れると、3人の作家の制作物・画材、旅先で買ったもの、子供たちとの共同制作の壁画などが最初からそこにあったかのようにおさまっており、内部空間はより豊かな表情に移り変わっていた。

建主の声: https://www.takaki-home.net/living7

「途中でロフトを作ろうとか、3人のスペースを分けようとか、紆余曲折がありましたが、結局最初のプランに戻りました。
実際に過ごしてみると、とっても快適!お互い背を向けているから個々のスペースを確保しつつ、一体感がある。創作意欲がわきますね」

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