古市久美子建築設計事務所FuruichiKumiko&Associates

子どもたちと遊びつつ山に登り海に潜り、持続可能な建築のことを考えてます。

子どもたちと遊びつつ山に登り海に潜り、持続可能な建築のことを考えてます。

[Renovation] ピクニックナーサリー vol.2 

 

ピクニックナーサリーvol.2

 

保育園代表の後藤さんから連絡を頂いたのは2020.2月末ごろだったか

うららかな小春日和に、お茶をいただきながら打ち合わせへ行くと、

泰生ビル(すでに保育園が入居している築50年のビル)に空きが出たので、

保育スペースを拡張させたいとの旨でした。

折しも、コロナが始まって皆が右往左往していた時期でマスクもアルコールも

かなりの品薄、という時期でした。

保育園としてはより広いスペースを得て感染症対策として考えているとのお話でした。

関内のど真ん中にある古いビルにあるこの小さな保育園が開園当初より人気で、

様々な話は聞いていましたが、どれも必然のように思えてきます。

特にビル内に入る小規模の企業に勤める方のお子さんの保育のニーズが高い。

もっというと、ここにこの保育園があるから、ビル内のお勤めの方達

(シェアオフィスのフリーランスの方も含む)子どもを産んでもいいかなと思うというような

話も出ているということでした。設計施工に関わったものとしても嬉しい話です。

さて。

今回も前回と同じように彫刻家の大工さんはじめいつもの職人さん方々に工事をお願いして、

私の方は設計以外に材料を手配したり、そのほかの職人さんを手配したり、

見積をつくったり、柿渋塗ったり、といたしました。

設計の方は、既存の棚が多くある空間だったのでそれを補強して、

棚でスペースを区分けすることにいたしました。

また、既存の棚では不足している分は、棚柱や構造を似せつつ流通する杉の無垢角材

(30×40mm)と杉間伐材パネルで、

シンプルでそこにはじめからあるような顔をしている棚を目指しました。

床は防音材の上にいつも通り杉間伐材パネルt36オイル仕上げで、

座るとほのかにやわらかく暖かく肌触りがよく。

ただし傷がつきやすいので、前回はこの杉無垢間伐材パネルでしたが、今回はもう少し硬い

床に変えますかというヒアリングも保育園のスタッフの方々にさせていただきましたが、

傷がつくのは知っているけど、これが良いということで、採用になりました。

最上階なので天井、外壁側の壁の高断熱化、窓は樹脂内窓です。

築50年以上のヴィンテージビルでありつつも、内部の室内熱環境は、

かなり快適になっています。

この目に見えない違い、子どもには絶対わかるだろうな〜といいながら

工事は進むのでした。

 

大工工事 : 椎橋良太
電気工事 : 大谷家電
設備工事:東海設備 
材木:河内屋材木店

設計監理:古市久美子建築設計事務所

 

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