古市久美子建築設計事務所FuruichiKumiko&Associates

子どもたちと遊びつつ山に登り海に潜り、建築のことを考えてます。

子どもたちと遊びつつ山に登り海に潜り、建築のことを考えてます。

[Renovation] picnic nursery ピクニックナーサリー保育施設

 

/ピクニックナーサリー保育施設 設計メモ/

ピクニックナーサリーの後藤清子さんから声をかけられたのはある初夏の頃。
その頃、私はうちの小1男子のストライキ的な不登校と自分の仕事との両立に頭はそればっかりな頃でした。子どもと一緒に学校へ行って一緒に授業を受けたり、図工室や保健室でサボったりしておりました。だから、「教育」「学校」について、ひときわよく考えていた時期でもありました。
そんな頃です。後藤さんから、子育て中の母が何も気にせずダラっとできる場所を作りたいのだ、と、協力してもらえないか、というお話でした。
後藤さんに管谷園長が加わり、横浜関内相生町の泰生ビルにてカドウエママピクニックという子育てひろばを開催されておりましたが、ニーズが強いので保育園をつくることになるかも、さらにタイミングよくビルに空室が出て、ついてはリノベの設計をという話に展開していきました。やはりというか打ち合わせ段階では、子育て相談半分、設計半分。

さて設計の方は、子どもたちが部屋の中を走り回っても良いように、防音をしっかり取ること。 また、床に座って遊ぶことがほとんどの保育者と子どもたちの快適性のため、床壁天井の高断熱化と開口部は二重サッシを取り入れてます。
かくいう私も子どもたちと遊ぶときは基本床座となり、特に冬などはハッと気づくと、お尻が冷え冷えになっていることがあります。意外と子どもは動き回っているからかそうでもなくて、大人は代謝が違うんだと思い知ります。そういうときは大抵、気づかないうちに不要なイライラを招き無用に怒りっぽくなったりするのですから、やはり保育園における床の快適(断熱と素材)は最重要課題です。
床と棚は杉の無垢間伐材パネルに舐めても大丈夫なまた調湿性能もある、オイル塗装、壁は漆喰、です。お絵かきができるように壁の一部に、大きなホワイトボードペイントされた板があります。
RCの大きい柱が部屋内に二本ありましたので、杉の無垢材で覆い、角は丸く削りました。掲示板の役割も果たしているようです。また、子どもたちや先生たちの寄りかかったり、かくれんぼしたりする空間にちょうどいい支柱となっています。こういう柱的な存在は特に床座の暮らしの場合、実際に寄りかかったり隠れたりしているのをみて、とても重要な存在なんだと再発見しました。

ピクニックナーサリー

大工工事 : 椎橋良太
電気工事 : 大谷家電
設備工事:東海設備 
材木:河内屋材木店
照明設計 : mantle-design

設計監理:古市久美子建築設計事務所

 

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