古市久美子建築設計事務所FuruichiKumiko&Associates

子どもたちと遊びつつ山に登り海に潜り、建築のことを考えてます。

子どもたちと遊びつつ山に登り海に潜り、建築のことを考えてます。

[Renovation] 明蓬館高校関内SNEC Bay2 Meihokan Highschool SNEC Kannai Bay2  


/明蓬館高校関内SNEC Bay2 -発達障害の高校生のための通信教育の拠点vol.2-設計メモ/

明蓬館高校関内SNECBay1が開校して、二年ほどしたある日のこと
日野校長から出来たばかりの関内SNECがそろそろキャパオーバーにてBay1はそのままにさらに拡張できる場所を探しているというお話が出ました。


話が少しそれますが、ちょうどその少し前、古市事務所も、関内で事務所移転先の場所を探しておりました。いくつか探す中で、関内弁天通三丁目にある弁三アパート(原ビル)にも内見に行きました。デザイン的に素敵なまた歴史的にも由緒ある防火帯建築です。
オーナーの原地所さんと話をしているうちに、ビル内に他にも空室が多数あることを伺い、その流れでビル活性化の企画を古市事務所と大谷薫子さん(モ・クシュラ)2社共同で作成し、原地所に持ち込んだり、その後実際に入居者をどのように募ろうかというMTGを原地所と重ねておりました。

 


時を同じくして、明蓬館高校関内SNECの拡張に伴う場所探しのお話があり、まさによきタイミングでした。古市事務所が仲介で、明蓬館高校日野校長と原地所原信造社長の会う場を設け、お二人とも意気投合されて、そのあたりからは、トントン拍子で話が進みました。

特筆すべき点は、事業の社会性へのオーナーの深い理解から、
1)賃貸でありつつも入居者の要望に応じたリノベをして良いということと、
2)リノベのスケルトン部分に関わる費用を原地所さんがご負担くださるという、大変ありがたいお話にもなりました。


さて、工事が始まりました。
関内SNECBay1でとにかく好評だった、杉の無垢間伐材パネルの床机と壁は漆喰建具は柿渋、目に優しい照明という仕様です。
Bay1同様、現場の工程を地域に開くワークショップも行いました。

今回は、地域の方のみならず、すでに関内SNEC/Bay1の生徒さん、それから、来年の入学、転入の生徒さんとその保護者の方々も、ワークショップで作業しました。

SNECの先生方にも協力していただいて授業枠も利用した作業内容は、塗装、漆喰、床米ぬかオイル塗り、障子貼り、蜜蝋ワックス塗り、照明の傘づくり、など今回のSNEC Bay2はSNEC Bay1よりさらに多岐に渡りました。
課題があるといわれている高校生たちですが、みな真面目で、それぞれに例えば塗装の方が向いている、とか、いつもは落ち着きないけど、実は塗り壁をやらせるとすごい集中力とか、細かな作業には不向きだけどみんなを励ますリーダーに向いているなどなど、日常では見えてこない持ち味が出ておりました。

楽しくなって塗らなくていいとこ塗っちゃうとか、あるいは気が乗らなくて手を抜いちゃうとかそういうこともないこともないですが、とても大切な作業だからこうするといいんだと伝えれば伝わり、根気よく一緒にやり直したりもしました。
私にとっても貴重な学びの場となりました。



仕上:床、机/無垢杉間伐材パネル 壁/漆喰  建具/柿渋塗装

木工事 /建具 / 家具:LIUKOBO
電気:大谷家電 設備:東海設備 
柿渋塗装、漆喰左官、米ぬかオイル塗装、
:明蓬館高校関内SNECの先生、生徒さん、地域のみなさま
写真:水谷綾子


設計監理 :
古市久美子建築設計事務所

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